退職金にかかる住民税

こんなときどうするの?

退職金は特別な収入!?住民税の計算方法を解説


更新日:2021年3月30日

退職金は、長らく務めた会社を退職する際に恩給的な意味で支給されるものであり、また受け取る人の今後の生計を支える基盤になる収入です。そのため退職所得は、税法的には他の所得と合算せずに課税金額を算出します。


このページでは退職所得にかかる住民税額の計算方法について解説します。
解説の最後に自動計算フォームを用意しましたので是非ご利用ください。



①勤続年数から退職所得控除額を計算する


退職所得控除額は以下のように求めます。

勤続20年以下 40万円×勤続年数
※80万円に満たない場合は80万円
勤続20年超え (70万円×(勤続年数-20年))+800万円

勤続年数は月単位を1年に切り上げます(10年3ヶ月のときは11年とする)。例えば勤続年数21年1ヶ月の人の退職所得控除額は、
70万円×(22年-20年)+800万円
= 940万円 となります。



②退職所得を計算する


退職所得=(退職金-退職所得控除額)×0.5 で求めます。

先程の例(退職所得控除額が940万円)で退職金が1000万円なら、
(1000万円-940万円)×0.5 = 30万円が退職所得となります。退職金が900万円なら退職所得は0円、つまり非課税となります。



③退職所得から住民税額を計算する


退職所得が分かったら、最後に住民税額を計算します。計算式は次の通りです。


退職所得×税率(10%)


例えば、退職金1000万円、退職所得30万円であれば、
30万円×10%=3万円 が住民税額となります。

10%というのは、都道府県税率 4%+市区町村税率 6%を足したもので、住民税の所得割に該当します。※標準税率以外を適用している自治体はその税率が適用されます。



障害者になったことが理由で退職した場合はさらに優遇されます


障害者になったことが直接起因して退職し、退職金を受け取った場合は、上の退職所得控除額に100万円を加算します。
先程の例で退職所得控除額が940万円であれば、940万円+100万円=1040万円が退職所得控除額となり、この場合退職金が1000万円でも住民税は非課税となります。



勤続年数が5年以下の法人役員はやや割高に


勤続年数が5年以下の法人役員が退職金をもらった場合は、退職所得を計算する際の ×0.5 が省略されます。

例えば勤続年数5年、退職金300万円の場合、
退職所得=300万円-40万円×5年=100万円
住民税=100万円×10%=10万円 となります。




以下のフォームに入力すると退職金の住民税額を自動計算します。
※標準税率(市区町村6%、都道府県4%)で計算。

勤続年数 ヶ月
退職金の収入
障害者になったことで退職した
勤続5年以下の法人役員等