住民税額の計算方法

住民税のキソ知識

住民税の納税額を計算してみよう


更新日:2021年3月30日

個人の住民税額は、毎年1月1日~12月31日までの収入や所得控除などをもとに税額が計算され、6月1日を起点に年度がスタートします。ここでは税額の計算方法について解説します。なお令和3年度に対応した「住民税の自動計算サイト」もあわせてご利用ください。

時期 サラリーマンの場合 個人事業主や無職の人など
1月~3月 勤め先の会社から、市区町村役場へ給与支払報告書が送られる。 確定申告を行う。申告書の住民税に関する項目を記入する。
4月~5月 納税額が決定したら、市区町村から会社へ決定通知書・納付書が送られる。 納税額が決定したら、市区町村から個人へ決定通知書・納付書が送られる。
6月~5月 原則、毎月の給与から天引き。 一括、または年4回に分けて納付。

※サラリーマンであっても、給与所得以外に収入のある方は確定申告が必要になることがあります。



それでは具体的に、住民税の計算方法をみていきしょう。

(※)以下では、具体的なシミュレーションも合わせて表記していきます。住む場所によって標準課税以外の税率が適用されることがありますが、ここでは東京都世田谷区でシミュレーションします。


【シミュレーションの設定】

・居住場所 = 東京都世田谷区
・家族構成 = 夫50歳、妻48歳(無職)、長男20歳(学生)、二女17歳(学生)
・前年収入 = 5,010,000円(給与収入のみ)
・控除項目 = 社会保険料支払額500,000円、生命保険の保険料支払額70,000円



① 給与所得を調べる


まずは前年の給与所得を求めます。給与所得とは、1年間(1月1日~12月31日)に得た給与収入から、給与所得控除を差し引いた額です。


《個人事業主・無職の方》

年間収入から必要経費を引いた金額。確定申告を行っていれば、確定申告書Aの「所得金額の合計」が該当します。


《会社員の場合》

会社員の方で源泉徴収票があれば、「給与所得控除後の金額」の金額になります。計算方法は以下のとおり。こちらでは概算金額を自動計算することもできます。

給与収入金額 給与所得の金額
550,999円以下 0円
551,000円~1,618,999円 収入金額-550,000円
1,619,000円~1,619,999円 1,069,000円
1,620,000円~1,621,999円 1,070,000円
1,622,000円~1,623,999円 1,072,000円
1,624,000円~1,627,999円 1,074,000円
1,628,000円~1,800,000円 収入金額(※)×60%+100,000円
1,800,001円~3,600,000円 収入金額(※)×70%-80,000円
3,600,001円~6,600,000円 収入金額(※)×80%-440,000円
6,600,001円~8,500,000円 収入金額(※)×90%-1,100,000円
8,500,001円~ 収入金額-1,950,000円

(※)給与収入金額1,625,000円超~8,500,000円までは、給与収入金額÷4000を計算し、小数点以下を切り捨ててから×4000したものを収入金額とします。


【シミュレーション】
・収入金額=5,010,000円÷4,000=1252.5⇒1252⇒1252×4,000=5,008,000円
・給与所得額=5,008,000円×80%-440,000円=3,566,400円

② 所得控除の額を計算する


扶養親族がいる場合や、社会保険料や生命保険などの支払いがある場合は、さらに給与所得から控除できます。早速シミュレーションにそって計算してみましょう。

なお、所得控除の詳細については住民税の控除とはで解説しています。


【シミュレーション】


■基礎控除

合計所得金額2400万円以下=430,000円


■配偶者控除

配偶者は無職のため控除対象=330,000円


■扶養控除

長男は20歳のため控除対象=450,000円
二女は17歳のため控除対象=330,000円


■社会保険料控除

社会保険料は支払額の全額が控除されます=500,000円


■生命保険料控除

70,000円×1/4+17,500円=35,000円


すべての項目を足し算=2,075,000円



③ 課税される金額を計算する


①で求めた給与所得金額から、②で求めた所得控除額を引き算します。


【シミュレーション】


3,566,400円 - 2,075,000円=1,491,400円



④ 調整控除額を計算する


調整控除額とは、配偶者控除、扶養控除、基礎控除について、所得税と住民税の間に控除額の差が生じているため、その差による影響をなくす目的で平成19年から始まった制度です。


調整控除は、③で求めた課税される金額が200万円以下か、200万円を超えるかで計算方法が変わります。


【課税される金額が200円万以下の人】

1.所得税との人的控除額の差の合計
2.課税される金額
調整控除額=1と2のいずれか小さい方×5%

【課税される金額が200万円を超える人】

1.所得税との人的控除額の差の合計
2.課税される金額-200万円
調整控除額=(1 - 2)×5% ※2,500円未満になる場合は2,500円

【シミュレーション】


③で求めた金額は1,491,400円なので200万円以下です。人的控除額は、
「配偶者控除 50,000円」
「特定扶養控除 180,000円」
「一般扶養控除 50,000円」
「基礎控除 50,000円」

合計で330,000円で、課税額1,491,4000円より小さいです。これを計算式に当てはめると、

調整控除額=330,000円×5%=16,500円


※住民税と所得税の人的控除額の差については、住民税の控除とはで解説します。



⑤ 住民税額を計算する


住民税は都道府県民税と市区町村民税を合わせたものです。そしてそれぞれに「所得割」「均等割」「調整控除」があります。

所得割 均等割 調整控除
市区町村民税 課税額×6% ※自治体の額 ④の金額
都道府県民税 課税額×4% ※自治体の額

住民税額=市区町村民税+都道府県民税-調整控除額


【シミュレーション】


※均等割=世田谷区(令和3年度)の場合、区民税=3,500円、都民税=1,500円で計算


■市区町村民税
1,491,400円×6%+3,500円=92,984円


■都道府県民税
1,491,400円×4%+1,500円=61,156円


■合計=154,140円


最後に調整控除額を引きます。


154,140円-16,500円=137,640円


シミュレーション一家の場合、これが1年間に納める住民税額となります。もし妻がパートに出たり、長男がアルバイトで年間100万円以上の収入を得ると、それぞれに住民税がかかるようになります。


ご自身の収入や扶養情報を基に税額をシミュレーションする場合は、「住民税の自動計算サイト」をご利用ください。